【デジタルアート印刷】紙で差がつく!和紙・特殊紙印刷のプロが教える紙選び
2025.10.07 | 和紙印刷のコラム
目次
あなたのデジタルアート、画面の中だけで終わらせていませんか?
●時間をかけて描いたデジタルアートをもっと特別な形で残したい
●データ販売だけでなく『手元に残る作品』として世に出したい
●印刷したらモニターの見た目と違ってがっかりした経験がある
●御朱印のように『和紙や特別な紙』で繊細な表現を再現したい
もしも、このような悩みをお持ちなら、和紙の印刷工房のデジタルアート印刷がお力になります。
データとしてのデジタルアートは無限の可能性を秘めていますが、物質的な「作品」として昇華させることで、その価値はさらに高まります。当社では、日本の伝統と最新の印刷技術を融合させ、あなたのデジタルアートを唯一無二の作品へと導きます。この記事では、特にA3サイズのデジタルアート印刷について解説しています。
御朱印の和紙印刷のプロによる「デジタルアート印刷」の素材力
当工房がデジタルアート印刷で選ばれる最大の理由は、長年培った日本酒ラベルや御朱印の印刷ノウハウを活かした、素材選定と印刷技術にあります。日本の伝統素材である和紙と、デジタル表現を際立たせる特殊紙という、幅広い選択肢でクリエイターの表現を支えます。
1. 深みと温もりを宿す「和紙印刷」
デジタルアートは和紙に印刷されることで、手触りや光の反射によって表情を変える「生きている作品」へと変化するでしょう。
和紙の種類 | ||
和紙の名称 | 主な特徴 | 備考 |
奉書紙 | やや青味がかった白色で、上品な印象 | 奉書紙の大判プリント作例 ざらつきのある裏面印刷も可能 |
むつき | 表面は、やや粗めの質感。光沢のある細い繊維が無数に絡み合っている。黄色味が強く、嵩高で柔らかく温かみのある和紙 | むつきの大判プリント作例 |
さつき | 柔らかくしなやかな和紙。高級感のある手漉きの風合いで、凹凸も感じられる | ちぎり加工に適した和紙 |
大礼紙 | 短めの光沢のある繊維がちりばめられた上品で華やかな和紙 | 表面はフラットで印刷適性が高い。印刷しても繊維が見える点が特徴 |
雲龍紙 | 長めの繊維が雲のような模様に見える華やかな和紙 | 雲龍紙の大判プリント作例 大礼紙より繊維が長く絡み合っている。印刷適性は大礼紙と同等 |
金銀奉書 | 金と銀の細かな箔がランダムに散らされているお祝い事などに最適な和紙 | 金銀振りの大判プリント作例 箔の部分には、インキが乗りにくいため、小さな文字が多い印刷物には不向き |
2. 鮮やかさとコントラストを極める「特殊紙印刷」
御朱印印刷で培った技術は、和紙だけでなく、特殊紙の可能性も最大限に引き出します。
御朱印の印刷で培ったノウハウ
当社は、繊細な御朱印の印刷で培った経験から、ハイピカや和紙風の洋紙(里紙・マーメイドなど)など、幅広い特殊紙の取り扱いに長けています。紙のご提案から承りますので、特殊紙へのデジタルアート印刷をお考えなら、まずはご相談ください。
色の再現性が高いコート紙はもちろんOK
和紙の持つ「沈み」とは対照的に、オフセット印刷で使用する色の再現性が高いコート紙は、インクの発色を最大限に引き出し、高いコントラストと鮮明な色彩を再現します。また、大判インクジェットプリントでは、専用光沢紙も取り扱っております。どちらもビビッドな色合いや写真のようなリアルさを重視するデジタルアートに最適です。
◎和紙の印刷工房の特殊紙での印刷実績は、こちらからご覧いただけます。
和紙・特殊紙へのデジタルアート印刷《印刷方式の注意点》
特殊な紙へ印刷する場合、印刷方式によっては素材本来の風合いが損なわれてしまうことがあります。
和紙や特殊紙の風合いを活かす印刷方法として当社がおすすめしているのは、紙の風合いと印刷面が馴染みやすい『インクジェット方式』と『油性のオフセット印刷』です。
印刷方式の選択は、作品の仕上がりを左右するポイントでもあるため、以下の点にご注意ください。
印刷方式の注意点 | |||
印刷方式 | 仕上がりの特徴 | 解説 | |
オフセット印刷 | 油性 | 紙の種類によって色が沈みやすいが、印刷内容にも紙の風合いが出せる。 | 酸化することでインキを乾燥させるため、紙とインキが馴染み風合いが活かせる反面、紙へのインキの浸透により発色が低下しやすい。 |
UV | インキの皮膜に光沢が出やすいため油性に比べて紙の風合いが失われやすい。 | インキをUV(紫外線)ランプで硬化させるため、紙の質感に関係なくインキの皮膜に光沢が出るため。 | |
オンデマンド印刷 | インクジェット方式 | 比較的発色がよく印刷内容にも風合いが出せる。細かい文字には向かない。 | 印刷で使用するCMYK以上の色数を使用し高発色だが、インクは液状のため紙によっては滲み感が強くなる。 |
レーザー方式 | 比較的発色はよいが印刷内容によっては紙の風合いが失われやすい。 | 粉上の着色材料(トナー)を熱で圧着させる方式は印刷面に皮膜感が強く出やすい。ベタ面の少ない印刷内容に向いている。 |
失敗しない!デジタルアート印刷の2つの方式と選び方
「デジタルアート 印刷」の仕上がりは、印刷方式によって大きく異なります。当工房では、クリエイターの皆様の作品の特性や目的に合わせて最適な方式を選べるよう、2つのプロフェッショナルな印刷方式をご用意しています。
1. 少部数・色と風合い重視・RGBデータ対応『インクジェット印刷』
【和紙の印刷工房の大判和紙プリント】 複雑な大判和紙の印刷も、お客様側で手間なく、失敗なく、プロ品質で実現します。
技術の強み:EPSONのハイエンドモデル SC-P9550 を使用した12色インクジェット大判印刷。通常のCMYK印刷では難しい、広色域で豊かで繊細な色彩を表現できます。EPSON公式ホームページ:SC-P9550
メリット:RGBデータのまま入稿・印刷が可能なため、CMYK変換による色域のロスを最小限に抑えられます。和紙の風合いを活かしつつ、画面で意図した深みのある色彩を実現したいクリエイターにおすすめです。
用途:美術館やギャラリーでの展示に最適な大判作品、1~10枚程度のポスター、作品集の限定版など、少部数で最高の「色と質感」を追求する用途に最適です。
2. 多部数・安定性重視・特色・CMYK『油性オフセット印刷』
技術の強み:印刷のプロが長年信頼するオフセット印刷です。高速・安定した品質で大量印刷が可能です。
メリット:CMYKにデータを変換する必要がありますが、和紙の風合いを活かしながらも、落ち着いた深みのある色彩を再現します。また、特色印刷(DIC、PANTONEなど)が可能なため、『ロゴやコーポレートカラーなどの特色指定』『刷金や刷銀を使いたい』などの場合はオフセット印刷がおすすめです。
用途:ポスターなら100枚以上、挨拶状やポストカードなら500枚以上が目安と言えます。主に販売用のプロダクトなど、部数が多く品質とコストバランスを重視し、安定性を求める場合に最適です。(ご要望があれば1枚からの製造も承っています。)
デジタルアート印刷の最適な選択をサポートします!
デジタルアートの印刷は、作品の魅力を左右する重要な工程です。どちらの方式にもメリットと特性があり、クリエイターの「好み」が分かれます。私たちは、お客様の作品の雰囲気、求める部数、そして仕上がりに対するご要望を丁寧にヒアリングし、最適な印刷方式をご提案いたします。
よくあるご質問:デジタルアート印刷 Q&A
Q1. 和紙以外にどんな紙に印刷できますか?
A1. 和紙のほか、ハイピカなどの特殊光沢紙や、色の再現性が高いコート紙など、幅広い用紙を取り扱っています。御朱印の印刷で培った経験を活かし、作品に最適な素材をご提案します。
Q2. デジタルアート印刷の料金はどのくらいですか?
A2. 印刷するサイズ、和紙の種類、枚数によって異なります。当社のウェブサイトで、オンライン見積りをご依頼ください。ご希望の条件を入力いただければ、お見積りをお送りします。
Q3. どのようなデータ形式で入稿すればいいですか?
A3. 文字や写真をレイアウトしたデータの場合はAi形式(デザインデータご入稿の注意点)での入稿をお願いしています。画像データのみの場合はPSDを推奨。PDF、JPEGでも構いませんが、保存時の圧縮による劣化にご注意ください。
Q4. 解像度やカラーモードについて教えてください。
画像データの解像度は原寸に対して350ppi以上を推奨しています。カラーモードについては、オフセット印刷の場合はCMYKが必須です。インクジェット印刷の場合はCMYK、RGBのどちらも受け付けています。
Q4. 作品の著作権は守られますか?
A4. お客様からお預かりしたデータは、印刷目的以外には一切使用しません。著作権はお客様ご自身に帰属しますので、安心してご利用ください。ただし、版権の存在する内容(既存のキャラクターなど)が印刷内容に含まれる場合、個人利用であったとしても印刷をお断りする場合がございます。
Q5. 少部数でも注文できますか?
A5. はい、可能です。インクジェット大判印刷は、1枚単位で高品質なデジタルアート印刷を承っております。お試しで印刷したい場合にもおすすめです。
あなたのデジタルアートに、和紙という新たなキャンバスを。
大判和紙プリントに関するご相談や、最適な印刷方式について、ぜひ一度ご相談ください。