和紙への箔押し加工とは?メリット3選と実績紹介
2022.05.16 | コラム
和紙でより特別で高級感のあるラベル、シール、掛け紙などを作りたいときにオススメしているのが「箔押し加工」です。
和紙印刷の仕上げに「箔押し加工」を施すことで、見る人の目を引くアイテムを作ることができます。『和紙の素朴な風合いを大切にしながらより華やかなデザインにしたい』『目立つ和紙ラベルを作りたい』とお考えの場合に、箔押し加工はぴったりです。
今回は、箔押し加工の特徴やメリットを、和紙の印刷工房オススメの使用方法と合わせてご紹介します。
箔押し加工の特徴とは
はじめに箔押し加工とはどういったものなのか、その特徴について紹介していきます。
熱と圧力を利用して箔を転写する
箔押し加工とは、インキを使う通常の印刷方法とは異なり、金属などの素材でできた箔版(銅板、マグネシウム版など)を使う加工方法です。金箔などの箔を熱した版を用い、専用のプレス機で転写します。熱と圧力を利用するのが特徴で、ホットスタンプとも言われています。また、熱と圧力で転写するため箔押し面には微かな凹凸が生じ、なんとも言えない味が加わります。
※薄い和紙の場合、凹みはほとんど生じません。
和紙などの紙はもちろん、革やプラスチックなどにも加工が可能ですが、オフセット印刷と比べると再現性は低くなります。細いオブジェクトや線がかすれやすく、広いベタ面(塗りつぶし)が苦手といった面があるため、デザインへの考慮が必要です。
転写するために使用する箔版の素材は、銅、マグネシウム、真鍮など種類があります。一般的には、ロットが多いものは銅板。少ないものは、マグネシウム版をおすすめします。銅板は、マグネシウム版に比べると高価ですが、その分耐久性が高く長持ちします。
和紙との相性が抜群
箔押し加工は、和紙印刷と合わせて用いられることの多い加工の一つです。「手触りや風合いを感じる和紙」と「滑らかな加工面の箔押し」は、質感のコントラストが生まれやすく、相性のいい加工方法と言えます。
箔押し加工で最もよく目にする「金色」の箔押しは、和紙と合わせることで高級感を伝えやすく、和紙の印刷工房でも人気のある組み合わせです。和紙特有の風合いの中で、箔押しのキラキラとした金色や微かな凹凸が際立ちます。お酒や食品のラベル、ワンポイントのシールから御朱印まで、様々なアイテムで使われています。
和紙印刷のアイテムをワンランクアップさせることができるのが箔押し加工です。
和紙に箔押し加工をするメリット3選
和紙に箔押し加工をすることで、さまざまなメリットが生まれます。今回は、箔押しのメリットを3つご紹介します。
華やかな見た目にできる
箔押し加工のメリットの1つ目が、見た目の華やかさです。オフセット印刷にも金や銀のインキはありますが、箔押し加工では金や銀の箔を転写させるので質感がまったく違います。箔押しを行うことで、印刷では不可能なメタリックな質感や色彩表現が可能になります。
キラリと輝くメタリック系の箔を使って、和紙にワンポイント箔押しするだけで、華やかさや高級感を演出できます。もちろん、ふんだんに箔押しを行い、とにかく豪華な見た目を追求することも可能。このうように、箔押しは選ぶ色や範囲によって、様々な表現をプラスすることができます。
ぱっと目を引く見た目になるので、『商品ラベルを目立たせたい』『他と差のつく特別感を出したい』というときにぴったりです。
和紙印刷に異なる質感をプラスできる
和紙印刷では、和紙ならではの風合を楽しめるのが最大の魅力ですが、文字や絵柄など『内容を際立たせたい』という場合には物足りなく感じる場合もあります。そんな時には、和紙とは違う質感をプラスできる箔押し加工がおすすめです。
箔押し加工を使えば、凹凸や繊維の多い和紙の一部分にメタリックのツヤツヤとした光沢感や、ホログラムやパールなど個性的な質感をプラスすることができます。
また、箔押し加工といえば金箔のような光沢感を想像しますが、光沢の少ない顔料箔もおすすめです。『文字やロゴを際立たせたて特別感は出したい』けれども『金や銀のような華やかさは抑えたい』という場合は、ぜひ光沢の少ない顔料箔をチェックしてみてください。
箔押し加工ならではの質感を和紙の中で楽しむことができるので、『とにかく一味違う仕上がりにしたい』場合は検討してみてください。
いろんな厚さの和紙に加工できる
箔押し加工のメリットの3つ目は、和紙の厚さに関わらず加工が可能な点。和紙にも種類によって厚みの違いがありますが、金属製の版を使って熱で転写する箔押し加工は、厚みのある和紙にも、薄い和紙にも加工できるのが魅力と言えます。
印刷がむずかいしい厚さの和紙でも、デザイン内容が文字やワンポイントのみという場合には箔押し加工で製造するのもおすすめです。
和紙の印刷工房の人気&オススメ!箔押しの使い方やアイテム
和紙の印刷工房で実際にどのようなアイテムに箔押し加工が行われているのか、「こんなアイテムにもオススメしたい」という例をご紹介します。実績やオススメのアイテム参考にしていただくことで、より和紙への箔押し加工をイメージしやすくなります。
《人気》箔押し加工は御朱印と好相性
華やかな雰囲気を出すことができる箔押し加工は、お祝いの席で使用するアイテムにオススメです。賞状やのし紙(掛け紙)の他、結婚式や記念式典などフォーマルな場で使用するテーブルマットやお品書きなど、箔押しを添えることでグッと豪華さが加わります。
《人気》ラベルやシールにワンポイントの箔押し加工
和紙の印刷工房でよくご相談いただく「箔押しを使ったアイテム」には、ラベルやシールが挙げられます。
使い方は、商品ラベルのデザインとして箔押しを入れるものから、ワンポイントのシールなど様々です。小さなシールなどは、印刷を行わず箔押しのみのデザインもございます。サイズの小さなアイテムを際立たせる場合に、箔押しはオススメです。
《オススメ》賞状・のし紙・お礼状などお祝いアイテムに
キラキラと輝く箔押しは、お祝いや記念など華やかな場面にぴったりです。和紙の印刷工房オススメのアイテムをご紹介します。
賞状
よく見かける賞状にも箔押しが施されているものはありますが、和紙に箔押しのオリジナルの賞状はいかがでしょうか?手触りや風合いを感じる和紙で、記念となる賞状を一味違ったものにできます。
のし紙(掛け紙)
贈り物に掛けるのし紙も、箔押しが入ることでグッと高級感が高まります。大切なシーンで使うものほど、箔押しはオススメです。また、商品の化粧箱に使う、掛け紙や帯も同様です。パッケージとしての掛け紙に、パッと目を引く華やかさをプラスできます。
お礼状・挨拶状
会社の公式なお知らせなどの場合、印刷で作ることの多いお礼状・挨拶状ですが、こちらも和紙+箔押し加工と相性がいいのではないかと考えています。結婚式の招待状なども、上品な華やかさを演出できる和紙と箔押しの組み合わせがぴったりです。
テーブルアイテム(ランチョンマットや箸袋)
結婚式やお祝いの会食に使用するテーブルマットや箸袋にも箔押し加工はオススメです。あくまでお料理が主役ですが、ワンポイントの箔押しがテーブルにお祝いのムードや彩りを添えてくれるでしょう。
金、銀以外もあり!様々な色や質感があります
箔押し加工といえば金箔や銀箔をイメージする人が多いかもしれませんが、実は金、銀以外の色も箔押しすることができます。
『印刷よりも特別だけど、金や銀のようにメタリックな質感は欲しくない』という場合は、ぜひ顔料箔をチェックしてみてください。意外なところでは、黒の顔料箔もございます。オフセット印刷よりもくっきりと濃く、質感の違いや微かな凹凸などで箔押し部分が際立ちます。
和紙は繊維が多く含まれていることもあり、表面が粗い質感になっています。そういった粗い質感の紙に箔押しをすると、印刷したときの箔の抜け具合などに違いが生まれるので、事前の打ち合わせを入念に行うことで、よりイメージに近い箔押し加工を選ぶことができます。
写真左から:メタリック箔見本/顔料箔見本/ホログラム・パール箔見本 (村田金箔 見本帳 murata-kimpaku.com)
和紙、箔押しの種類や材質選びからお手伝い
華やかな見た目や高級感の演出など、一味違うデザインにしたいときにはピッタリの加工方法です。
ですが、箔押し加工を行うときには、前述した通り、箔版の素材や厚み、箔の色、和紙の種類など決めることがたくさんあります。普段から箔押し加工に馴染みがある方は多くないため、お客様だけで決めるのは難しいかもしれません。
和紙の印刷工房では過去の豊富な実績にもとづいたアドバイスを行いながら、お客様のご希望に沿って製造いたします。よりお客様のイメージに近い箔押し加工を行うためにも、ぜひ和紙の印刷工房にご相談ください。