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和紙印刷の特徴とは?印刷方法や失敗しないコツを紹介

2022.05.13 | コラム

和紙印刷は、一般的な印刷用紙に比べると独特の素材感があり、耐久性の高さにも定評があります。箔押しなどの加工も可能なため表現にも幅が出せ、和風の商品だけでなく高級感を出したいときにもおすすめ。和紙の印刷工房では、多種多彩な和紙と加工でお客様の様々なニーズにお応えしています。

和紙印刷には、通常の印刷にはない様々な特徴がありますので、用途や目的に合わせて和紙印刷も検討してみてはいかがでしょうか?

今回は、和紙印刷の特徴や、和紙印刷が向いているケース、印刷方法のほか、和紙の印刷工房のこだわりや実績を紹介します。

 

和紙印刷の難しさ


◎和紙材質の特徴

独特の素材感

一般的な印刷紙はツルツルしていて、やや無機質な印象を与えます。一方、長い繊維が絡み合っている和紙は、柔らかな手触りと、ぬくもりのある表情が特徴的で、上品さや高級感をもたらしてくれます。

表現の幅が広い

和紙は製作の段階で様々な加工を施すことで、まったく異なる表情を作りだすことができます。たとえば、和紙を作る過程で長い繊維を入れて雲のような模様を表現したり、四辺にちぎり加工をほどこして、ぬくもりのある表情に仕上げたりすることも可能です。ニーズや目的にマッチした加工を施せば、さらに深みや味わいのあるデザインを実現できます。

耐久性が高い

和紙に使われている繊維は長くて強靱な性質を持っているため、適切に保管すれば長期間にわたって品質を保持できます。また、和紙は折りたたんで染料液に浸す「折り染め」などの加工を施せることからもわかる通り、水分や折りへの耐久性も高い傾向にあります。

 

和紙印刷が向いているケース

和紙印刷が向いている代表的なケースを3つご紹介します。

和風の商品

和紙印刷は、日本酒や和菓子といった和風の商品との相性が良く、ラベルや掛け紙(帯)などに多用されます。

和紙シールに印刷すれば、プラ製の包装などにも貼り付けることが可能です。

 高級感を出したいとき

和紙は上品で洗練されているイメージを与えるため、高級感を出したい場合にも重宝します。

たとえば、ギフトに添える挨拶状や商品説明のしおりを和紙印刷にすれば、ワンランク上の高級感を醸し出せます。

水濡れが心配な商品は…?

要冷蔵の食品やキッチン用品、バス用品など水分に触れる可能性が高いものには、耐水加工を施した耐水和紙シールなどがおすすめです。

比較的、水に強い和紙でも耐水性には限度があるため、耐水加工の和紙でラベルの劣化を防止します。また、耐水材質を使って和紙風に仕上げた用紙もございます。

 

和紙印刷の方法とその特徴

和紙印刷の方法にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは和紙印刷の主な方法と特徴を6つご紹介します。

オフセット印刷

印刷業界では「印刷=オフセット印刷」を意味するほどスタンダードな方式。

シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)の版を出力し、紙に4色を重ね刷りする印刷方法です。写真やイラストなど、色鮮やかなフルカラー印刷を短時間で行えるところが特徴です。

色ごとに版を作る「製版」と呼ばれる作業が必要になるため、準備の時間とコストはかかりますが、大ロットの場合にはプリンタよりも早く、単価も下がります。

シルクスクリーン印刷

版にあけた孔からインクを落として印刷する孔版印刷の一種。

紙はもちろん、布や金属などいろいろな材質への印刷が可能なため、幅広く活用されています。写真などのフルカラー印刷には向かず、単色印刷ではっきりと色を出したい場合に向いています。

オフセット印刷同様、色ごとに版を作るため比較的コストが高くなります。

 凸版印刷

凸版印刷は、凹凸をつけた版の凸部にインクをつけて紙に転写する印刷方式。

日々の生活や仕事に使う印鑑や、学校の美術の時間で作成した版画などと同じ原理で印刷します。

こちらも製版作業が各色ごとに必要となります。当社では色数の少ない、シール印刷の際によく利用しております。

活版印刷

活字を組み合わせて作った「活字組版」を使用します。凸状の印刷部分にインキを付け、上から圧をかけて紙に転写する仕組みのため、方式としては凸版印刷に分類されます。

近年では業者の廃業やプリンタの普及により、活版印刷の活躍の場は徐々に少なくなっていますが、和紙との相性が良く、独特の風合いの印刷ができるところが特徴です。

インクジェットプリンタ

インクを用紙に吹き付けて印刷する方法です。ヘッド部分が直接紙に触れないので、デリケートな和紙でも劣化させずに印刷できるところがメリットです。

染料インクは滲みやすい※ため、滲みにくい顔料インクを使って印刷するのが主流です。製版無しでデータを直接出力するので、製版代が不要となります。

※染料インクを使用する場合は、予め用紙に滲みを防ぐ加工を施します。

レーザープリンタ

トナーと呼ばれる粉上の着色材料を用紙に定着させて印刷する方式。

インクジェットプリンタと比較してスピーディーな印刷が可能ですが、オフセット印刷の印刷速度には劣ります。インクジェットプリンタと同様に、データからの出力のため、製版は不要となります。

 

和紙の印刷工房の和紙へのこだわり

和紙の印刷や加工サービスを行っている「和紙の印刷工房」では、お客様のご要望やニーズに対応できるよう、さまざまな和紙と加工方法をご用意しています。ここでは和紙の印刷工房で取り扱っている和紙の種類や加工方法を紹介します。

和紙の種類

・奉書紙:表は滑らか、裏は素朴な風合いの和紙。耐水タイプもあって幅広い用途に使える

・大礼紙:短めの繊維(はな)が入った和紙。上品な見た目が特徴。

・雲龍紙:長い繊維を入れて雲のような模様を表現した和紙。全体的に華やかで高級感がある。

・金銀振り:金銀の箔を散らした和紙。結婚や出産などお祝い事に多用される。

・ふみづき:原料の色を活かしたナチュラルな和紙。紙そのものの強度があり、印刷適性に優れる。

・むつき:光沢のある細い繊維が絡み合った和紙。柔らかでぬくもりがある。

・さつき:繊維やあま皮が入らない柔らかめの和紙。手漉きに近い風合いが特徴。

・新だん紙:檀紙をモチーフにした和紙。一定方向に入ったシワと、多彩な色が特徴。

・里紙:自然の温もりとやさしさを感じさせる、素朴な味わいのある紙。箔押しとの組み合わせがおすすめ。

※上記は和紙品名となりますが製造方法は機械漉きや手漉きなどで、それ以外にも和紙風洋紙も含んでおります。製造方法により各々風合いも異なります。お酒や食品に貼るラベルなども風合いのあるものから金銀振り、耐水など多様な和紙シールがございます。

和紙印刷の加工

・箔押し:箔に熱と圧をかけて色や質感を転写させる加工法。さまざまな色があり、文字やイラストにインパクトを与える。

・型抜き:専用の抜き型を用いて印刷物の形状を変える加工法。タグやシールを作るときにおすすめ。

・ちぎり:和紙の四辺をちぎって毛羽立たせる加工法。柔らかく、高級感のあるイメージになる。

・合紙:和紙に段ボールや板紙を貼り合わせて補強する加工法。化粧箱やパッケージの製作に最適。

和紙の種類や加工の特徴について、詳しくはこちらをご覧ください。

◎和紙の種類ページ

◎和紙印刷と加工ページ

 

和紙の印刷工房の実績を紹介

和紙の印刷工房では、これまでさまざまな業種のお客さまから、多彩な和紙印刷のご注文を承ってきた実績があります。ここでは一例として、和紙の印刷工房の実績を3つご紹介します。

和菓子のトレイパック用ラベル

さつまいもを使った昔ながらの和菓子「芋けんぴ」のトレイパックに貼るシール用和紙の製作事例です。賽の目模様が入った奉書紙に、「芋けんぴ」のシルエットを入れたシンプルなデザインはとても相性が良く、素朴でぬくもりのある外観になっています。

印刷時に文字が潰れないよう、ご入稿いただいたデータに調整を加えたため、細かい文字や白抜きの文字もきれいに印刷することができています。ラベルは普通のシールと同じように、台紙から剥がして商品にぺたっと貼り付けることが可能です。

クライアント:株式会社 渥美フーズ 様 www.foodoasis.jp /toridesign 様 toridesign.blue

簀の目 奉書紙シール:食品パック用

御朱印の和紙印刷

神社で交付する御朱印を製作した事例です。

お正月用の特別な御朱印ということで、和紙の四方にはちぎり加工を施し、さらに「迎春」の文字には金色の箔押し加工を行っています。ちぎり加工ならではの暖かな風合いと、金色の「迎春」がもたらすインパクトが相まって、高級感のある御朱印に仕上がっています。

クライアント:日峯神社 様 御朱印 hinominejinja.com

さつき オンデマンド印刷:御朱印(箔押し+ちぎり加工)

ギフト用包装袋

和紙の印刷工房では、和紙への印刷だけでなく、和紙袋の製作・印刷にも対応しています。中身の寸法をあらかじめ計測した上で製造するため、無駄のないサイズ感の袋に仕上がります。もちろん、袋の表面には文字やイラストを入れることも可能です。袋の形状の種類もご相談いただけますので、ギフト用の和紙袋をご所望の方はぜひお問い合わせください。

クライアント:大黒屋箸専門店 縁(えん)様 www.hashishop.com

金銀奉書 オフセット印刷:お箸ギフト 角底ガゼット袋

他の印刷実績は、こちらからご覧いただけます。

◎実績紹介ページ

 

インクジェットプリンタでの和紙印刷のコツを紹介

家庭にインクジェットプリンタがある場合は、自宅で和紙印刷を行うことも可能です。

ここでは、家庭用インクジェットプリンタで和紙印刷するときのコツを2つ紹介します。

 

インクジェット対応の和紙を使用する

近年はインクジェットプリンタの普及にともない、各メーカーからインクジェット対応の和紙が販売されています。インクがにじみにくい仕様になっているため、文字やイラスト、背景などを鮮明に印刷することができます。普通の和紙を使用すると、にじみやかすれ、紙づまりなどのトラブルが起こりやすいので、和紙印刷の際は必ずインクジェット対応のものを使用しましょう。

印刷用紙の設定を確認する

インクジェットプリンタでは、使用する用紙の種類に応じてインクの量や色のコントロールを調整する仕組みになっています。和紙印刷を行う際は、あらかじめプリンタドライバーのプロパティにて、印刷紙の設定を「和紙」に変更しておきましょう。「和紙」の項目がない場合は、「マットフォトペーパー」など、和紙の性質に近いものを選択すればOKです。

なお、和紙の材質によっては「厚紙設定」などの選択も必要になります。インクジェット用の和紙なら、パッケージなどにプリンタの設定方法が記載されていますので、印刷前にきちんとチェックしておきましょう。

 

綺麗に和紙印刷するなら印刷会社への依頼がおすすめ

和紙印刷に対応した家庭用インクジェットプリンタも広く普及していますが、仕上がりの綺麗さを重視するのなら、和紙印刷専門の業者に依頼するのがおすすめです。

和紙対応のインクジェットプリンタでも、家庭用では性能や機能に限度があり、デザインによっては思ったような仕上がりにならないことがあります。また、インクジェットプリンタは数枚なら安価に印刷できますが、枚数が増えれば増えるほど、大きなコストがかかってしまいます。

商品のラベルや掛け紙、神社やお寺で交付する御朱印など、一度にたくさん印刷しなければならないものは、印刷会社に発注した方が仕上がりの満足度が高く、コストの節約にもつながるでしょう。

 

まとめ

和紙印刷は家庭用インクジェットプリンタで行うことも可能ですが、和紙に対応していないとにじみやかすれが出たり、紙づまりが発生したりする原因となります。

また、家庭用プリンタの性能や機能には限界がありますので、より綺麗に印刷したいのなら、プロの業者に依頼することをおすすめします。

和紙の印刷工房では、特徴の異なるさまざまな和紙と加工を駆使して、お客様のご要望やニーズにぴったり合う和紙印刷を実現いたします。

和紙印刷を検討されている方、ぜひ和紙の印刷工房にご相談ください。

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