和紙印刷:糸島めんま『掛け紙』3種
2017.11.25 | お客様事例
福岡県糸島市 株式会社 タケマン 様よりご依頼をいただいた、「和紙の印刷工房」の受注第1号案件をご紹介します!
お客様のイメージに合わせた用紙と用紙の特徴に合わせた印刷
「和紙の印刷工房」第1号の本案件では、お客様より「柄入り」「厚手」で「カラーバリエーションがある」和紙というご指定をいただきました。条件やお客様の製品に合いそうな用紙を数種類ピックアップし、「岩はだ」という和紙風の洋紙に決定。その後、デザインをご入稿いただき、製造スタートとなりました。
用紙に合わせ印刷回数を変更!
製造前から、用紙表面に入った柄には凹凸(エンボス)があり、刷り上がりにムラが出ることが予想されていました。そのため、「黒」と「赤」の掛紙で使用する白色※は、色の再現を高めるため二度刷りする予定でした。しかし、実際に印刷してみると思いのほか白が映えず、三度刷りに急遽変更。その結果、イメージどおりの白さを再現することができました。※白色は通常のインキに比べ、色の再現性が低く「真っ白」に印刷するのが難しいインキです。
↓用紙に凹凸があるため、白色インキのノリが浅いところと、濃いところの差がわかります。
イメージどおりの仕上りを目指す調色
さらにこの案件では用紙自体の色が影響し、デザインイメージどおりの地紋を再現するのも大変でした。2度3度とインキを作り直しながらテスト刷りを重ね、ようやく納得いく色を出しました。
↓左:調色比較/右:決定色
印刷後は、折り目を付けるため抜き加工でスジ入れを行いました。
最後に箔押し加工を施して、ようやく完成。「鯛汐めんま」の2色の箔で表現されたイラストでは、箔押しの見当合わせなどの細かな技術が活きています。
和紙の印刷工房の初受注案件は、過去の印刷実績と比べても難易度が高く、改めて勉強になりました。製造に入った段階でも手順を変更するなど、イメージ通りの仕上りへの努力が実りお客様に喜んでいただけたことは、今後への大きな励みになったと感じています。
株式会社 タケマン 様(HP)
福岡県糸島市で、業務用メンマの製造・販売を行われています。従来のメンマはもちろんのこと、純国産材料にこだわった「糸島めんま」にも力を入れ、業務用以外にも味付け調理された一般向け商品も販売されています。