和紙とはどんな紙?
日本に古くから伝わる「和紙」は、様々な植物から取り出した繊維を原料にして作られる日本製の紙のこと。
細かく長い繊維が絡み合い独特の風合いを持つ紙になっています。
また、微細な穴がたくさん開いた構造は、障子紙の湿度を調整する機能や、ランプシェードから漏れる柔らかい光などに一役買っています。
和紙へのオフセット印刷は難しい?
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答えは「難しい」です。
おそらく、何の下調べも無しに印刷会社へ「和紙へのオフセット印刷」を依頼しても、断られてしまう事が多いのではないでしょうか。
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なぜ断られてしまうのか?
実は多くの印刷会社では「経験や実績が極端に少ない」から。
「同じ紙なんだから印刷出来るでしょ?」と思われがちですが、「通常(主に洋紙)の印刷」と「和紙印刷」には大きな違いがあるのです。 -
では、「和紙印刷」とは一体何が難しいのか?
それは、和紙独特ともいえる風合いや微細な穴のたくさん開いた構造に原因があります。
今日の印刷現場では、ほとんどのオフセット印刷機が自動で給紙を行っています。
多くのオフセット印刷機が「セットされた用紙から一枚ずつ紙を吸い上げて給紙する」この仕組みに、
和紙の風合いや微細な穴の開いた構造がマッチせず、うまく印刷機に紙を通せないことが一番の理由です。
小竹天瑞堂の経験と技術
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地元に根ざして磨かれたオフセット印刷の技術
私たち〈株式会社小竹天瑞堂〉は、数多くの蔵元が存在する新潟県において約100年もの間、印刷に携わってまいりました。
チラシやパンフレットといった商業印刷の傍らで、地元の蔵元様とともに「日本酒ラベル」のオフセット印刷技術を磨き続けて今日に至ります。 -
私たちには「和紙印刷」を可能にする経験・技術・知識があります。
「日本酒ラベル」の印刷と言えば「和紙」を使用することも多く、「印刷に適した和紙選び」や「調色」「色調整」の技術はもちろん、
最も難しいポイントとも言える「和紙を印刷機に通すテクニック」まで、「和紙へのオフセット印刷」についてのノウハウが日々蓄積されてまいりました。
そして、蓄積されたノウハウを無駄にすることなく受け継ぎ、少しずつ進歩しながら現在も「和紙印刷」を提供し続けているのです。
和紙印刷を可能にする技術
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紙の伸びから来る見当や色のズレを起こりにくくするには…
和紙は洋紙に比べ印刷機を通すことで伸びやすい特徴があります。
紙の伸びは印刷の見当ズレや色合わせ、印刷後の断裁や抜き加工にも影響を及ぼします。
これらを防ぐために、使用する和紙によっては空通し(絵柄を印刷せず印刷機に通す)を行い予め用紙を伸ばしておく場合があります。
空通しを行うかどうかは、用紙の目なりや面付け数、通し数などを考慮し判断しています。 -
和紙印刷でおこりやすい紙ムケを防ぐには…
使用する和紙に合わせてインキの硬さを調整します。
ほとんどの場合で洋紙で使用するインキよりも柔らかめにしますが、
柔らかすぎても汚れの原因になってしまうため経験を活かし程よい硬さを見極めています。
また、稀に印刷前にニスを刷っておく場合もあります。 -
凹凸のある用紙への印刷は…
通常の和紙と異なり縮緬状のシワが入ったものや、エンボスで細かな紋様を入れた和紙風の洋紙などに印刷を行う場合、
しっかりと紙の目にインキが入るよう印圧を調整しています。
経験を活かし最も美しい仕上りになる印圧に調整するのも当社の技術のひとつです。
和紙印刷の注意点
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1. 全ての和紙にオフセット印刷を行えるわけではありません。
→実績のある和紙が多数ございますので、紙選びからご相談ください。
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2. 色や階調の再現性は、一般的な洋紙(コート紙や上質紙)よりも劣ります。
→しかしながら、和紙自体の色味や風合いが合わさり、味わい深い仕上りになるのも事実です。
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3. 写真や複雑な絵柄など、鮮明さをもとめたい場合には不向きです。
→和紙自体の色味や風合いの影響を受けるため、再現性の高さや精細さが必要な印刷物にはおすすめしません。
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4. よく用いられる紙に比べ、価格は高くなります。
→和紙自体が比較的高価である、紙の特徴から印刷スピードも上げられない、などの理由から割高となります。
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5. 通常の印刷よりも手間がかかるため、納期までに時間を要します。
→最高の仕上りをご提供するため、お急ぎのご注文にはお応え出来ない場合がございます。
私たちの得意分野は「和紙印刷」です。
株式会社 小竹天瑞堂では、長年培ってきた経験・技術・知識で
繊細な和紙へのオフセット印刷を行っております。